実戦で使えるクッションシステム



改訂版

Sugimoto's Original Cushion System

 略して「SOCS」です。一時期、ひたすらクッションを研究していた事があって、これはその時の研究成果です。5&Hやプラス2などのおなじみのシステムだけでなく、独自のシステムも多数編み出しました。本当は、あまり人に教えたくはないのですが...

 


バンク系システム


SOCS.1 「4かけシステム」

 ポケットではおなじみの俗にいう「4かけシステム」ですが、ポケットから少しずらしたところに向けて狙いをつけるところがオリジナルです(普通に計算で求められますが)。第一クッションのねらいを+-6(黄色の数字)すると、ツークッション目が1pずれます。

 ここでは、0.5p(+3)ずらして、穴前の玉を入れに行く感じの例をあげました。


 障害物を避けるために、さらにひねりを加味したパターンです。1のひねりで+4、3のひねりで+8します。


 手玉の位置が短クッションの場合です。スクラッチするコースの数字が42,48,60となってますが、覚えやすいように40,50,60でもいいと思います。

 手玉短クッションで注意してほしいのは、第一クッションへの侵入角の違いを考慮して、目標(黄)の数字が手玉の位置によって変わります。


SOCS.2 「5かけシステム」

 手玉サイドの位置から、第一クッション20に向かってゆっくり撞いてください。標準的なブランズウィックのテーブルでは、うそみたいにコーナーに向かいます。実は手玉をゆっくり撞けば、上図のようにめちゃくちゃわかりやすいシステムになります。ゆっくり撞くので、こじったり、押しが入って伸びたりする危険がありません。ポケットから少しずらした狙いのつけ方は、4かけシステムと同様ですが、黄色の数字は5になります。


SOCS.3 「たてバンク」

 サイド穴前の玉を入れにいったり、コーナー~サイドにあるクッション際の玉のセーフをとりに行く時によく使います。

 ただし、手玉の位置が短クッション(0~19)の時は、目標の数字(黄)は0にしか対応していません。

 あと図示はしていませんが、結構使えるのが、短クッションの20に向かってゆるくつけば、どっから撞いても反対側の左右対照の長クッションに向かいます。

 このシステムは強さ弱で示していますが、第一クッションのねらいを-2すれば、強さ中のシステムになります。


SOCS.4 「ダブルバンク」

 正直、あまり使わないですし、あまり成功した記憶もありません。コンディションや撞き加減による誤差が大きいので、精度が低いシステムです。けれど、知っていれば、いざという時に、あの有名なサンズリージェンシー決勝レイズ対ストリックランドのダブルバンクのような奇跡を起こせるかも。


ハーフV系システム


SOCS.5 「ハーフV強さ中」

 ポケットビリヤードはほとんどのゲームでラックをフットスポットに組むので、どうしてもフット側の短クッションに玉が集まります。なので、ハーフVは結構多用します。求め方も簡単です。手玉の位置の数字と目標の短クッションの数字のかけ算で求められます。注意してほしいのは、第一クッションの数字が2倍になっているのと、ツークッション目の短クッションの目標がポイントではなく、ポイントから垂直な位置にあるクッションタッチのイメージボールになっている点です。SOCSでは、このクッションタッチのイメージボールが狙いのシステムがメインになっています(使いやすいように、敢えてそうしています)。


 通常のラインに邪魔なボールがある時は、ひねりでかわします。

 単純に第一クッションの狙いの数字に、目標の位置によってそれぞれ、4, 8, 12, 16の数字(緑)を足します(手玉の位置がどこであろうと)。1のひねりの場合は、半分の2, 4, 6, 8となります。

 他も同じですが、ポイントとポイントの間が狙いの場合は、間の数字を使ってください。たとえば、手玉の位置が4で、上から2.5pの目標に3eのひねりを使って狙う場合、4×6+10=34(左から1.7p)という具合です。


SOCS.6 「ハーフV強さ弱」

 つよさ弱の場合、黄色の数字をそれぞれ+2します。

 さらに、ここが重要なんですが、かけて求めた数字から最後に2をひきます。

 ひねりも強さ中と同様に使えますが、ゆるく撞くとひねりが安定しないので、おすすめしません。


SOCS.7 「ハーフV短~短」

 このシステムの法則を発見した時は、ちょっと感動しました!短クッションからコーナーへ向かう狙い点から、黄色の数字を引くだけです。しかも、強さ中でも弱でも、もとめ方は同じです。このシステムもクッションタッチのイメージボールが目標点です。


ファイブ&ハーフ系システム


SOCS.8 「SOCS5&H」

 まずは基本形です。よくビリヤードの入門書に載っている図とほぼ同じです。手玉(青)の数字から目標(黄)の数字を引いて、第一クッションの狙い点(赤)を求めます。目標(黄色)の20~30付近は、結構それなりに走りますが、その範囲から外れるとちょっと正確性に欠けます。

 撞きこんで集めたデータを分析してわかった事は、目標をレール上のポイントではなく、クッションタッチした先玉にした場合、狙い点(赤)を10ポイントずらすたびに、目標が7~8ポイントずつずれていく感じでした。それでは覚えにくいので、目標をレール上のポイントに設定する事で、狙いが10pずれると、目標も10pずれる感じに近くなるのでそうしてるみたいです。そういう理由で、目標が20~30辺りでしかシステム通りに走りません。

 目標をクッションタッチのボールにして、目標もしくは狙い点の数字の振り方を変えれば、より正確なシステムを作る事も可能ですが、目標がサイドポケットを超えてくると、第一クッションへの侵入角が浅くなって誤差が激しくなるので結局あまり意味をなさなくなります。


 1e(1のひねり)バージョンです。3eのシステムの手玉の数字を-3しただけです。3eバージョンとそんなにコースも変わりません。

 なので、ひねりで障害物を交わすというよりも、ひねりが少ない分手玉が走らないので、先玉に当てる力加減によって使い分ければいいかなと思います。


 手玉の位置がサイドポケットを超えるような場合は、1eや3eでは狙える範囲が極端に狭くなるので、ひねりmaxで無理やり当てます。

 ただひねりmaxは人によってキュー切れ具合も違いますし、同じようなひねり加減で撞くのも難しいので、あくまで最終手段とした方がいいと思います。


SOCS.9 「3Cコーナーシステム」

 上級者の間では常識ですが、実は、たくさんクッションに入れれば入れるほど、ねらいの許容範囲が広いです。一見派手ですが、かなりの確率で穴前の玉をポケットできます。

 目標(黄)の位置を右にずらす時は狙い点(赤)の数字をプラス、下にずらす時はマイナスします。


 3のひねりの場合、手玉の位置がサイドポケットから0.5pぐらい手前が限界ですが、ひねりMaxを使う事によって、右から2pぐらいまで、3Cでスクラッチする事が可能です。


プラス2系システム


SOCS.10 「SOCSプラス2」


 一般的なプラス2と理屈は同じなんですが、狙い方がちょっとちがいます。

 手玉の数字は、ツークッションでスクラッチするコースを表しています。目標がそのコーナーから1p縮まるごとに、狙いの数字を-5(半ポイント)していきます。

 一般的なプラス2は、手玉と目標の位置との開き具合によって狙い点を計算します。上から1,3,5,7,9と数字を振って、開いているポイントの数字を狙います。例えば上の図で言うと、4p開いているので、4(1.5p)が狙い点になります。

 それでもいいんですが、目標の位置がサイドより右か左かで撞き方を変えないといけなかったり、コンデイションによる微調整(SOCSプラス2の場合は、手玉の数字をプラマイして調整)がしにくいという事があります。

 あと注意してほしいのは、手玉と第一クッションの距離が近いので、押しのカーブによってコースが変わってくる場合があります。オーバースピン(空転)しないように、斜め45度でラシャと密着した綺麗なスピンで走らせる必要があります。SOCSの3のひねりは全て、このひねりを基本としています。長を1往復させて、3pずれて帰ってくるのが3のひねりですが、PLUS2でスクラッチさせる事で、3のひねりができているかのチェックにもなります。

 UFOスピン(横回転)にすれば押しのカーブは出ませんが、ひねりの密度(進んだ距離に対する回転数)を安定させるのが難しいです。


 1のひねりバージョンです。5&Hに比べて、結構コースも変わってきます。


 もはや、Plus2とは呼べないかも。

 ひねりMaxの許容範囲が半端ないです。


SOCS.11 「ハーフ+2」

 システムで難しいのは、クッションから離れた玉です。そこで編み出しのたのが、このシステム。こんなに単純な計算ですが、正確です。この法則も自分的には大発見です。


セブン系システム


SOCS.12 「SOCSセブンシステム」

 一般に知られているシステムで、正確さでは定評のあるセブンシステムです。

 狙い方も、ノーマルのセブンシステムと全く同じで、ポイントが目標点になります。


 セブンシステムはひねりを使わないシステムですが、SOCSセブンシステムでは、目標の数字からひねりの数(3のひねりなら3、1のひねりなら1)を引いて、対応しています。人見謙剛氏の「ビリヤードAtoZ」では、手玉の数字からひねりの数を引く方法を紹介していますが、こちらが正しい計算方法です。


長矢流スリークッションダイヤモンド

 SOCSではありませんが、長矢賢治プロの紹介していたシステムで、これも結構、正確に走るので使わせてもらっています。セブンシステムは短クッションから、短→短→長→短では威力を発揮しますが、長クッションからの長→短→長→短に弱点があります。それを補うのがこのシステムです。


 3Cダイアモンドでも、目標の数字からひねりの数(3のひねりなら3、1のひねりなら1)を引いて、対応できます。


その他のシステム


SOCS.13 「ジャパ師システム」

 サイドにぶちこみまくるジャパ師にオススメのシステム、3連発です。ただ、誤差が激しく、上図に示した有効範囲内でしかサイドに走りません。けれど、しってて損はないシステムです。あと、番外編として、センターショットを微妙に長クッション側にとばしてもサイドに向かいます。ハスラーにオススメです。


穴前システム

 「ビリヤードAtoZ」からの引用です。この他にも、手玉の位置やひねりによる変化も紹介されています。


フットスポットキャロム

 もはや、クッションシステムではありませんが、ロバートバーン著「ビリヤードスタンダードブック」からの引用です。ヘッドスポットにおいた手玉から、フットスポットの先玉に厚み1/2で、ゆっくり転がせば、コーナー穴前の玉をキャロムで落とせるというものです。ジャパンやローテーションなどで、使えるシステムです。


実戦的な狙い方


 ファイブアンドハーフなどの、足し算・引き算系のシステムでは、計算は簡単ですが、セブンシステムなどの掛け算・わり算系のシステムは、ポイントから少しずれると、6.5 × 5.5 = ... という風に暗算では計算できません。そういう時は、近くのポイントを結ぶラインを2つ見つけて、その間を狙う方法を使います。


最後に


 これだけ、紹介しておいて、こういう事を言うと、もともこもありませんが、結論から言って、入れの厚みを理屈ではなくイメージで覚えるのと同じように、クッションも、システムを使うより徹底的にイメージを頭に叩き込む方が、正確だと感じています。どうしても、台や天候のコンディション、その人の撞き方などに左右されてしまうから、そのまま数字をあてはめられない場合が多く、また、クッションからはなれた先玉にタッチを狙う場合、狙い自体がつけにくい事もあります。

 驚くことに、トッププレイヤーの半数がシステムを使わず、イメージで狙っているという事実もあります。あのクッションの神様エフレン・レイズもシステムは使っていないそうです。

 私も普段の練習で、システムを使わずに、イメージだけでツークッションで当てる練習をとりいれています。慣れれば、結構、いい確率でヒットします。

 とはいえ、知っていて絶対に損はないです。ナインボールや10ボールではファールを取られたら、ほぼそのゲームは負けです。試合など絶対に当てたい状況では、やっぱりシステムは知っておきたいですね。けれど、本にのっているような一般的なシステムは、その通りに撞いてもそこに向かわないのがわかっているのでとても使えません。その点、SOCSは、実際にポケット台で撞きこんで集めたデータをもとに、法則性を導き出しているので、精度が全然違います。

 イメージで撞くにしても、その目安として確認に使えるし、知っていないとイメージできないラインもたくさんあるはずです。また、確率の高いシステムと低いシステムがあるので、シチュエーションによって使いわけるのも手です。

 最後に、アドバイスとして、クッションシステムを使う時は、公式戦などは別にして、計算やラインを見つけるのに時間をかけすぎないようにすることが大切です。自分でかくしてしまった場合は特にそうです。待っている時間、相手も場代を払っている事を忘れてはいけません。そういう、人と撞く時のマナーを知らない人が最近多いように思います。そういう意味でもイメージで撞く練習も必要になってきます。

 


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